今回は(も?)、私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。2020年1月23日に提出したものです。
質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。
特徴
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。
で、私の提出した質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。
香川県ゲーム規制条例案とeスポーツに生きがいを感じている重度障害者に関する質問主意書
近年、筋ジストロフィーやALSなどにより重度障害者となった方がeスポーツに取り組んでいることが話題になっている。一般社団法人日本作業療法士協会ホームページの記事によれば、普段競い合うことがない重度障害者同士がeスポーツで対戦することにより勝ったり負けたりする部活動のような新しいコミュニティが生まれること、徐々に体が動かなくなり、できないことが増えていく中、eスポーツは残された体の機能を使えば「上達する」ことを体感できる数少ない機会であること、託児所でゲームをしていたら健常者の子どもが反応して、そこから仲良くなったこと等が紹介されている。海外では重度障害者のプロeスポーツプレーヤーもいることから、日本でも障害を持つ人をeスポーツの選手に育成するプログラムを作ったデイケア施設ができた。eスポーツはコミュニケーションツールとして非常に有用であるだけでなく、重度障害者に目標を与え、人生を豊かにしていることが周知されつつある。
そんな中、香川県では、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)なる条例案(以下「本件条例案」という。)が検討されている。子どもたちがゲームをする時間を制限しようとする内容である。本件条例案には子どものネット・ゲーム依存症に関して注意喚起をするという意義があるかもしれないものの、香川県内の重度障害をもつ子どもたちがゲームをする時間が制限されることで、eスポーツをとりまく状況に影響が出る可能性がある。
右を踏まえて、以下質問する。一 前述のように、ゲームが重度障害者の生きがいとなり、目標を与え、健常者とのふれあいのきっかけとなっている現状に鑑みれば、本件条例案十八条二項の「保護者は、前項の場合においては、子どもが睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣を身に付けられるよう、子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用に当たっては、一日当たりの利用時間が六十分まで(学校等の休業日にあっては、九十分まで)の時間を上限とすること及びスマートフォン等の使用に当たっては、義務教育修了前の子どもについては午後九時までに、それ以外の子どもについては午後十時までに使用をやめることを基準とするとともに、前項のルールを遵守させるよう努めなければならない。」との規定については、憲法九十四条、児童の権利に関する条約二十三条一項、三十一条一項、障害者基本法十四条、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律三条、十四条、十五条に抵触する可能性があると考えるが、政府の見解如何。
一について
お尋ねは、地方公共団体の議会が審議する条例案に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。二 eスポーツは重度障害者にとって重要なコミュニケーションツールであり、彼らの人生を豊かにしている可能性があると考えられるが、eスポーツのこのような可能性に関して政府の見解如何。
二について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、eスポーツについては、「未来投資戦略二〇一八」(平成三十年六月十五日閣議決定)において、「新たな成長領域として注目されるe-スポーツについて、健全な発展のための適切な環境整備に取り組む」としている。
最近話題になっている香川県ゲーム規制条例案についてのお話です。香川県のことですので、国は口出しません、と言った答弁ですがこれはこれで仕方がないのかもしれません。今後の香川県での展開に注目していきたいと思っています。
「香川県のゲーム規制条例案」は何が狙いなのか マンガで解説 (1/3) 2020年02月26日 08時00分 公開
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