今回も、私が参議院に提出した質問主意書を紹介します。2019年11月21日に提出したものです。
質問主意書とは何か?については以前の記事を一部引用させてもらいます。
特徴
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。
で、私の提出した質問主意書はこちら↓。本来は質問書と答弁書は別なのですが、質問→答弁(赤字)の順に配列しました。
衛星放送の受信設備のない世帯に対して契約書を書き換えて衛星契約を結ばせているNHK訪問員に関する質問主意書
令和元年五月二十二日の参議院消費者問題に関する特別委員会(以下「同委員会」という。)において、NHKの受信料に関して、消費生活センターに多くの相談が寄せられていることが小野田紀美議員により指摘されている。同委員会での小野田議員の質疑及びこれに対する政府の答弁によれば、消費生活センターへ寄せられたNHKの受信料に関する相談件数は、平成二十八年度は八千四百七十二件、平成二十九年度は一万六百四十一件、平成三十年度は八千六十七件とのことである。
また、同委員会での小野田議員の指摘によれば、衛星放送の受信設備のない世帯に対して、NHK訪問員が契約書を書き換えて衛星契約にするなどの不正手続きが生じているとのことである。これを踏まえて以下質問をする。一 衛星放送の受信設備がなく、今後も設置する予定のない世帯は、衛星契約を結ぶ必要はあるか。
一及び三について 日本放送協会(以下「協会」という。)が放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第六十四条第三項の規定に基づき総務大臣の認可を受けた日本放送協会放送受信規約第一条第二項において、衛星系によるテレビジョン放送を受信できるテレビジョン受信機を設置した者は衛星契約を締結しなければならないと規定されており、御指摘の「衛星放送の受信設備がなく、今後も設置する予定のない世帯」は衛星契約を締結する必要はないものと考える。また、お尋ねの「詐欺にあたり、道義的、倫理的に問題がある」かどうかについては、個別の事案に応じて判断されるものと考えているが、少なくとも衛星系によるテレビジョン放送を受信できるテレビジョン受信機を設置していない者に対して、協会の受信料の契約・収納業務の委託先の訪問員が受信契約書を書き換えて衛星契約を締結させることは不適切な行為であると考えている。
二 前記一の世帯に対して、NHK訪問員が契約書を書き換えて衛星契約を結ばせている場合があることは事実か。
二について 協会が、平成二十九年六月二十七日に、協会の受信料の契約・収納業務の委託先の訪問員が衛星系によるテレビジョン放送を受信できるテレビジョン受信機を設置していない者に対し、その同意なく受信契約書の契約種別の欄に「衛星契約」を加筆し、衛星契約を締結させた事案等があったことを公表したことは承知している。
三 前記一の世帯に対して、NHK訪問員が契約書を書き換えて衛星契約を結ばせることは詐欺にあたり、道義的、倫理的に問題があると考えるが政府の見解は如何か。
四 前記二が事実であるとすれば、政府は何らかの対策を講じるべきと考えているのか否か、伺いたい。
五 前記四で、政府が何らかの対策を講じるべきと考えているのであれば、その具体的な方法を伺いたい。
六 前記四で、政府が何らかの対策を講じるべきと考えているのであれば、その対策の効果を評価するつもりはあるか否か、伺いたい。
七 前記六で、政府が対策の効果を評価するつもりなのであれば、その具体的な方法を伺いたい。
四から七までについて 御指摘の「何らかの対策」については、まずは協会の受信料の契約・収納業務の委託先を監督及び指導する立場にある協会において講じられるべきものと考えており、協会においては、受信契約書に自署が必要であることを明記する等の再発防止策を策定し、当該業務の委託先を指導する等に取り組んでおり、現時点において、平成二十九年六月二十七日に公表された事案と同様の事案は発生していないものと承知している。また、政府においては、再発防止の観点から、放送法第七十条第二項の規定に基づき協会の令和元年度の収支予算、事業計画及び資金計画に付する総務大臣意見において、受信料に係る契約・収納等業務全般に関し、抜本的な再発防止策を講じ、不断の見直しを更に行っていくことを求めているところである。
NHK訪問員の悪質さを少しでも多くの人に伝え、状況が改善できるよう、引き続き頑張っていきます。