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令和元年十月四日提出 中谷一馬衆議院議員が提出した質問主意書の紹介

先日、質問主意書というものについて紹介させていただきました。

質問主意書とは何か?については前回の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

議員一人で提出することができ、その返答は内閣の統一見解であるということです。政府に問うという性質上、野党議員がたくさん提出しています。

質問主意書(参議院)

質問主意書(衆議院)

さて、今年の8月にNHKに関しての質問主意書が立憲民政党の中谷一馬議員から提出されており、以前それを記事にしました。

今回の記事では上記の質問主意書の答弁に対しての質問主意書があり、それを読んでみます。前に出された質問主意書に対する答弁に納得がいっていないから作られた質問主意書のようであり、なかなか興味深いかもしれません。

以下の質問主意書では質問→答弁(赤字)をわかりやすく配置しました。

「令和時代のNHKのあり方に関する質問主意書」の答弁に関する質問主意書

令和元年八月一日に私、中谷一馬が提出した令和時代のNHKのあり方に関する質問主意書の答弁を安倍晋三内閣総理大臣名で令和元年八月十五日に受けた。
この答弁を受けて、詳細の見解を確認したく、以下質問する。

一 「放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第六十四条第一項において、日本放送協会(以下「協会」という。)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は協会と受信契約を締結する義務があることを定めており、当該受信契約を締結した者は、協会に対し、当該受信契約に基づく受信料を支払う義務がある。」という答弁に対して確認をするが、日本放送協会放送受信規約第三条において「受信機を設置した者は、(中略)放送受信契約書を放送局に提出しなければならない。」と規定されており、放送受信契約書の提出をもって契約は成立するものと認識しているが、放送を受信することのできる受信設備を設置した者で日本放送協会(NHK)との受信契約を締結する義務を果たしていないものは、受信料を支払う義務はないという理解でよいのか、政府の見解を伺いたい。

一について
日本放送協会(以下「協会」という。)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者であって協会との受信契約を締結する義務を果たしていないものは、放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第六十四条第一項に基づく協会との受信契約を締結する義務を果たした上で、受信料を支払う義務がある。

二 放送法第六十四条第一項において、日本放送協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は協会と受信契約を締結する義務があることを定めているが、受信契約締結義務を果たさなかった場合の罰則等は特に定められていないため、その義務を果たしていない者が不利益を被ることはない。
しかしながら、この状況を放任すれば、NHK受信料を支払わない者がごねて得をすることとなり、NHK受信料を支払う者が相対的に損をする制度を容認することになると考えるが、政府としてはこの問題に対してどのように対応していこうと考えているのか、所見を伺いたい。

二について
現行の受信料制度は、協会の自主性・中立性を財政面から担保するため、協会が、公共放送の社会的使命を果たすために必要な財源を国民・視聴者に直接求める仕組みとなっており、協会において、未契約者及び未払者対策を実施している。放送法第七十条第二項の規定に基づき協会の収支予算、事業計画及び資金計画に付する総務大臣意見においても、公共放送の役割や受信料制度の意義も含めて丁寧な説明を行い、国民・視聴者の理解を得るよう努めることを求めており、こうした指摘を踏まえ、引き続き協会において適切に対応されるべきものと考えている。

三 令和元年八月一日に私、中谷一馬が提出した質問主意書において「石田総務大臣は、NHK放送に暗号をかけて受信料を支払った人だけが視聴できる「スクランブル化」について「公共放送と民放の二元体制を崩しかねない」と反対の姿勢を示されているが、放送と通信の融合する新時代において、そもそも二元体制を維持するメリットや意義をどのように考え、二元体制を崩すことによるデメリットをどのように考えているのか、政府の所見を伺いたい。」と伺ったところ、政府より安倍晋三内閣総理大臣名で左記の返答が返ってきた。
「我が国の放送は、民間放送事業者が視聴者の嗜好や地域に根ざした放送の充実に努める一方、協会が四についてで述べた公共放送としての社会的使命を果たしていくことで、着実な発展をしてきたと考えており、政府としては、今後も、民間放送事業者と協会とのそれぞれの特徴が発揮される二元体制を維持するべきであると考えている。」
普通に読めば、NHKと民間放送事業者がやってきたことは素晴らしいという自画自賛に近い賛美と今後も二元体制を維持したいという意思表示がなされたものと理解するが、私が尋ねたことは、「二元体制を維持するメリットや意義をどのように考え、二元体制を崩すことによるデメリットをどのように考えているのか、政府の所見を伺いたい。」ということであり、質問の返答になっていない。
そこで改めて伺うが、二元体制を維持するメリットや意義をどのように考え、二元体制を崩すことによるデメリットをどのように考えているのか、メリット、デメリットのそれぞれについて明瞭かつ詳細な政府の考察を伺いたい。

三について
先の答弁書(令和元年八月十五日内閣衆質一九九第一六号。以下「前回答弁書」という。)五についてでお答えしたとおり、我が国の放送は、民間放送事業者が視聴者の嗜好や地域に根ざした放送の充実に努める一方で、協会が公共放送としての社会的使命を果たしていくことで、着実な発展をしてきたと考えており、政府としては、今後もこれを維持する意義があると考えている。

四 令和元年八月一日に私、中谷一馬が提出した質問主意書において「政府は、NHKのスクランブル化に対するメリット及びデメリットをどのように分析しているのか、所見を伺いたい。」と伺ったところ、政府より安倍晋三内閣総理大臣名で左記の返答が返ってきた。
「お尋ねの「スクランブル化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、視聴の対価として料金を支払うこととすることについては、協会が、四についてで述べた公共放送としての社会的使命を果たしていくことが困難になるものと考えている。」
これに関連して三問伺うが、
1 令和元年七月二十三日に、石田真敏前総務大臣は定例会見の中で「NHKのスクランブル化は放送の二元体制を崩しかねない」と発言されているが、この時の発言におけるスクランブル化とは具体的に何を意味しているのか、その定義を伺いたい。また定例会見で記者にスクランブル化について聞かれた際には見解を述べられるにもかかわらず、私の質問におけるスクランブル化の見解について、「お尋ねの「スクランブル化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではない」とされる理由についてあわせて見解を伺いたい。

四の1について
御指摘の石田前総務大臣の定例会見における発言については、記者の質問が、NHKから国民を守る党が導入を主張するスクランブル放送についての質問であり、これに対し答えたものである。一方で、先の質問主意書(令和元年八月一日提出質問第一六号。以下「前回質問主意書」という。)四は、「公共性の高いコンテンツや社会的に必要ではあるが民間では採算が合わないコンテンツなど」「以外の多くのコンテンツ」のスクランブル化についてのお尋ねであり、前回質問主意書五は、「NHK放送に暗号をかけて受信料を支払った人だけが視聴できる」スクランブル化についてのお尋ねであったため、前回質問主意書六の「スクランブル化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではない旨お答えしたものである。

2 私が尋ねたことは、「政府は、NHKのスクランブル化に対するメリット及びデメリットをどのように分析しているのか、所見を伺いたい。」ということであり、質問の返答になっていない。
そこで改めて伺うが、政府は、NHKのスクランブル化に対するメリット及びデメリットをどのように分析しているのか、メリット、デメリットのそれぞれについて明瞭かつ詳細な政府の考察を伺いたい。
3 視聴の対価として料金を支払うこととすることで、なぜ公共放送としての社会的使命を果たしていくことが困難となるのか、政府の所見を伺いたい。

四の2及び3について
協会については、放送法第十五条において、公共の福祉のために、あまねく全国において受信できるように、豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うこと等を目的とする旨、定めている。
視聴の対価として料金を支払うこととすることについては、この目的を達成することが困難になるため、公共放送としての社会的使命を果たしていくことが困難になるものと考えている旨お答えしたものである。

五 令和元年八月一日に私、中谷一馬が提出した質問主意書において「産経新聞が行った世論調査によれば、「NHKの地上波放送はスクランブル化を導入すべきか」という問いに対して、八十八%がYesと答え、「NHKの番組を見たいか」という問いに関しては、六十九%がNoと答えましたが、こうした国民の意識を政府はどのように捉えているのか所見伺いたい。」と伺ったところ、政府より安倍晋三内閣総理大臣名で左記の返答が返ってきた。
「個別の民間事業者が行った「世論調査」に関し、お答えすることは差し控えたい。」
衆議院議員が政府の見解をただすことを目的とした質問において、個別の民間事業者が行った世論調査に関する内容だから答えることを差し控えるとする理由は何か。その根拠や詳細について明快にご説明を頂きたい。

五について
お尋ねについては、政府が行った「世論調査」ではないため、逐一お答えすることは差し控えたい旨お答えしたものである。

六 令和元年八月一日に私、中谷一馬が提出した質問主意書において「総務省の放送をめぐる諸課題検討会において示された資料では、二〇〇五年に九十八・九%であったカラーテレビの普及率は、二〇一五年には九十五・七%まで下がっている。
また世帯主が二十九歳以下の世帯に限れば八十四・七%にまで落ち込んでおり、テレビ離れが進んでいく流れが顕著であり、この傾向は世界的にも同様である。
そうした中、現行の放送法ではテレビの設置者のみを受信料支払の対象としているが、今後さらにスマートフォン等などテレビ以外の受信機しか持たない人の増加が予想される中、中長期的に見れば現在のビジネスモデルでNHKを維持していくことが難しくなり、時代のニーズに合わせた転換を図る必要性に迫られることは想像に容易い。
公共放送がインターネットに進出をする時代において、その財源を誰が負担するのかという根本的な議論は避けて通れないと考えるが、テレビ離れ・スマートフォンファーストが進む、令和時代における受信料負担のあり方をどのように考えているのか、見直す必要があると考えているのか、政府の所見を伺いたい。」と伺ったところ、政府より安倍晋三内閣総理大臣名で左記の返答が返ってきた。
「御指摘の「受信料負担のあり方」については、放送をめぐる環境変化や、国民・視聴者から十分な理解が得られるかといった観点も踏まえ、中長期的に検討すべき課題であると考えている。」
これは短期的には何もしないという理解で正しいか。仮にそうでないとしたら短期的に二〇二〇年もしくは二〇二一年の間に何か具体的な改善策を講じられる予定はあるのか政府のご所見を伺いたい。

六について
御指摘の「受信料負担のあり方」については、前回答弁書八についてでお答えしたとおりであり、お尋ねの「何か具体的な改善策を講じられる予定は」、現時点において決まっていないが、いずれにしても、協会に対し、公共放送の役割や受信料制度の意義も含めて丁寧な説明を行い、国民・視聴者の理解を得るよう努めることを求めてまいりたい。

前回の答弁が繰り返し使われているように思います…。

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