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逢坂誠二衆議院議員による質問主意書 ケーブルネットを利用した有線型テレビ放送における利用者のBS放送受信料支払いに関する質問主意書 の紹介

以前、質問主意書というものについて紹介させていただきました。

質問主意書とは何か?についてはその時の記事を一部引用させてもらいます。

質問主意書とは(参議院)

質問主意書とは

議会には、国政の様々な問題について調査する権限があり、国会議員は、国会開会中、議長を経由して内閣に対し文書で質問することができます。この文書を「質問主意書」と言います。質問しようとする議員は、質問内容を分かりやすくまとめた質問主意書を作り、議長に提出して承認を得る必要があります(国会法第74条)。
(中略)

特徴

質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
(中略)また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。

さて、今回は逢坂誠二衆議院議員による質問主意書を紹介します。

平成19年に提出されたもので少し古いかもしれませんが、答弁書にある政府の見解でいくつか重要と思われるところがありましたので紹介します。

質問主意書は衆議院のリンクに行くと読むことができるのですが、質問の文面と答弁の文面が別になっており、質問数が多いとやや読みにくくなります。というわけで、今回は質問の後に答弁を掲載するという形で掲載させてもらいました。少し長いですが、もしよければご覧ください。

平成十九年五月二十八日提出
質問第二五二号

ケーブルネットを利用した有線型テレビ放送における利用者のBS放送受信料支払いに関する質問主意書
提出者  逢坂誠二

昨今、全国各地において、ケーブルネットを利用した有線型のテレビ放送(以下、ケーブルテレビ)の普及が見られ、地域によっては、自治体が第三セクターとして運営会社を設立して運営を行ったり、自治体自らがケーブルテレビの運営に当たるケースが多々見られる。
こうしたケーブルテレビを利用した有線型のテレビ放送において、伝送路が光ファイバーで構築されている場合、市販されている一般のBSデジタル対応テレビで視聴可能な「BS-IF伝送方式」でBSデジタル放送を配信することができる。
この「BS-IF伝送方式」を採用した場合、日本放送協会と利用者との受信契約において、「BSデジタル放送が、好むと好まざるとに関わらず、視聴できてしまう環境」を行政などが自動的につくってしまう、その結果視聴を希望しない加入者にも「日本放送協会が契約を求める」のではないか、と思われる。
そこで以下、政府に対し質問する。

一 本年三月十五日の総務委員会での日本放送協会橋本会長の「BS放送視聴料は対価論ではない、公共放送なので視聴できる環境にあれば視聴料を払っていただく。」という答弁は妥当だと考えるか。

二 仮に妥当だとすれば、その根拠は何か。総合・教育などと比べBS放送は大リーグ中継や映画など娯楽性の強い番組編成となっているが、国民に受信契約義務を負わせてまで支えるべき放送であるという根拠は何か。また、仮に妥当でないとすれば、どのような契約方法が考えられるか。

三 日本放送協会のある支局では橋本会長発言を踏まえ、「視聴できる環境にあれば払っていただく。具体的にはデジタルテレビのBSデジタル端子に配線が接続されていれば払っていただく。」との説明があったが、この説明は妥当だと考えるか。

一から三まで及び五について
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第三十二条第一項は、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定している。すなわち、受信設備設置者は、実際の視聴の有無にかかわらず、日本放送協会(以下「協会」という。)と放送受信契約を締結する義務があり、放送受信契約を締結した者は、放送受信料を支払う義務がある。また、協会は、あまねく全国において、豊かで、かつ、良い番組を放送することを目的として設立され、その趣旨にのっとった様々な放送を行っているが、協会は、公共放送機関として、放送受信料により支えられており、放送受信料は、協会がその業務を行うための一種の国民的負担として設けられたものと考えられる。御指摘の橋本会長の答弁もその趣旨を述べたものと理解している。
お尋ねの協会の特定支局においてどのような説明が行われたかについては承知していないが、協会においては、放送受信料の意義について、受信設備設置者に対して引き続き十分な説明を行うよう努めることが重要と考える。

四 「BSデジタル端子に接続されている」かどうかは、徴収員が住居に上がり込まないと確認できない。BSアナログ放送の契約についても、過去に住居に「上げろ」「上げない」というトラブルがあると聞いているが、そのようなトラブルを招くあいまいな確認方法は妥当であると考えるか。

四について
協会からは、居住者の同意を得た場合に、協会の放送受信料の徴収員が受信設備の設置を視認することはあるが、居住者の意思に反し、住居に上がって確認を行うことはないと聞いている。

五 たとえば、日本放送協会のBS放送は視聴せず、民間有料BS放送(WOWOW等)のみを視聴するために、BSデジタル端子に配線を接続した場合もこの方針では料金を徴収することになる。「視聴できる環境にある」からといって視聴しない加入者からも徴収するというこの方針は妥当であると考えるか。

※回答は上記「一から三まで及び五について」参照

六 日本放送協会が受信契約を求めてきた場合、視聴を希望しないケーブルテレビ加入者は「BSデジタル端子に配線を接続していない」と口頭で伝えるだけで、徴収員を住居に上げなくても、拒否することができるのか。

六について
協会の放送受信料の徴収員が、お尋ねの点に関し、具体的にどのような方法で放送受信契約の締結を求めているかは承知していない。

七 社会的弱者(高齢者、障害者)あるいは仕組みをよく理解していない者が、錯誤的に受信契約を結んでしまった場合、これを解約できるのか。

七について
放送受信契約の解約については、実際にどのような場合に契約を解約できるか否かは、個別の事例に則して判断されることになると考えるが、放送法第三十二条第一項に規定する協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した場合に該当しないときは、協会と放送受信契約を締結する義務はない。

八 将来的にスクランブルをかけて視聴できなくする方法を採用する考えはあるのか。

八について
協会の放送は、我が国のすべての者に対して、豊かで、かつ、良い番組を提供することを目的として行うものであり、特別の料金を支払う者のみがその放送を受信できることとするスクランブルについては、慎重な検討が必要と考える。

4番目の質問にある通り、NHK訪問人はテレビの有無を居住者の意思に反し、住居に上がって確認を行うことはないとのことです。

今回、改めて政府の答弁を確認しておきました。住居に無理やり入ろうとするNHK訪問員はいないとのことです。

逢坂誠二議員とNHK会長の国会でのやりとりの動画はこちら↓。

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