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サンバイオ暴落 その1

最近、ある株式の銘柄の大暴落があり、話題となっています。

その銘柄は、サンバイオ(4592)です。

過去6ヶ月のチャートです↓。SBI証券の銘柄ページより拝借。

背景を超簡単に説明すると、

米国で開発・実験中の薬の効果を計る臨床試験をしていて、その臨床試験で薬の効果がないという結果に終わったことが先日発表されました。

これにより、発表された1月29日から大暴落開始、本日2月5日にようやく値がついたという次第です。

かなり大雑把な説明でしたので、少しだけ細かいところを触れていきます。ちなみに日本語文献では自分が目を通した範囲では日経新聞の記事↓が一番まとまっている印象です。

サンバイオと大日本住友製薬、再生細胞医薬品「SB623」の米国でのフェーズ2b臨床試験の解析結果速報について発表(日経新聞 2019/1/29 17:45)

再生細胞医薬品「SB623慢性期脳梗塞を対象にした米国でのフェーズ2b臨床試験の解析結果速報について

(中略)

本試験は、慢性期脳梗塞に伴う運動機能障害を呈する患者163例を対象に、本剤の有効性および安全性を検討しました。163例の患者は、本剤250万細胞投与群、本剤500万細胞投与群、Sham手術群(コントロール群)の3群に割り当てられました。

本試験の結果、投与6カ月後にFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)がベースラインから10ポイント以上改善した患者の割合(主要評価項目)について、本剤投与群は、コントロール群と比較して、統計学的な有意差を示さず、主要評価項目を達成できませんでした。安全性の問題は認められませんでした。

(中略)

【SB623について】

本剤は、健常人から採取した骨髄液を加工・培養して作製された他家由来の間葉系幹細胞であり、神経組織に投与すると、損傷した神経細胞の再生を促す効果が期待されています。また、他家由来細胞を利用して同一の製品を大量に作製できることから、自家由来細胞を用いる治療で必要となる医療機関等における個別の細胞調製などの処置が不要であり、多くの患者さんに均質な医薬品を提供することが可能となります。

サンバイオの米国子会社であるSanBio,Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「SanBio」)と大日本住友製薬は、慢性期脳梗塞を対象に開発中の本剤について、北米をテリトリーとした共同開発および独占販売権に関するライセンス契約を2014年9月に締結しており、本試験については、SanBioと大日本住友製薬の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクが共同で実施しています。

細かいところまで触れるとかなり大変なのですが、少しだけ自分の解説を加えてみます。

今回関係している開発薬の名前:SB623

慢性期脳梗塞(脳血管がつまるなどで脳の神経細胞が死んで時間の経過した病態)の患者さんに投与した時の効果をみた実験です。

で、この薬の投与方法ですが、おそらく頭に穴を開けて(つまり手術が必要)脳に直接投与しているものと考えられます。

再生細胞薬で脳梗塞治療を目指すサンバイオ(上)(四季報オンライン)

死んだ神経細胞が再生するとなると、夢の薬・ノーベル賞クラスと言っても良いのかもしれませんが、今回はそうはいかなかったということです。

このサンバイオについてはあと少し触れたいことがあるので、引き続き記事を書くつもりです。

ちなみに、医学生時代にはメディックメディア社の作っていた教科書「病気がみえる」シリーズは図が多くて直感的に理解しやすくてお世話になりました。今は「薬がみえる」シリーズも出ているようで、勉強のために購入しようか検討中。

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