今回は昨年の宅建過去問を見てみます。
平成28年度 問47
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1.インターネット上に掲載した賃貸物件の広告について、掲載直前に契約済みとなったとしても、消費者からの問合せに対し既に契約済みであり取引できない旨を説明すれば、その時点で消費者の誤認は払拭されるため、不当表示に問われることはない。
2.宅地の造成及び建物の建築が禁止されており、宅地の造成及び建物の建築が可能となる予定がない市街化調整区域内の土地を販売する際の新聞折込広告においては、当該土地が市街化調整区域内に所在する旨を16ポイント以上の大きさの文字で表示すれば、宅地の造成や建物の建築ができない旨まで表示する必要はない。
3.半径300メートル以内に小学校及び市役所が所在している中古住宅の販売広告においては、当該住宅からの道路距離の表示を省略して、「小学校、市役所近し」と表示すればよい。
4.近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して表示してもよい。
早速ですが、答えは4.です。解説が気になる方はこちら↓をどうぞ。
今回の問題は、宅建業者が物件情報を表示する際にやっていい行為と駄目な行為が問われています。普段物件検索して物件情報を頻繁に見ている人は正解するのは難しくないと思います。
この機会に不正解の1.から3.について、「不動産の表示に関する公正競争規約」の該当箇所を見ていきます。
まず1.は「不動産の表示に関する公正競争規約」の第21条に該当します。
(おとり広告)
第21条 事業者は、次に掲げる広告表示をしてはならない。
(1)物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示
(2)物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示
(3)物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示
次に2.は「不動産の表示に関する公正競争規約」の施工規則第8条に該当します。
(特定事項の明示義務)
第8条 規約第13条(特定事項の明示事項)に規定する規則で定める「特定事項」は、次の各号に掲げる事項とし、それぞれ当該各号に定めるところにより表示する。
(1)都市計画法第7条に規定する市街化調整区域に所在する土地(同法第29条に規定する開発許可を受けているもの及び都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第36条第1項第3号ロ又はハに該当するものを除く。)については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と16ポイント以上の文字で明示すること。ただし、新聞・雑誌広告における文字の大きさについては、この限りでない。
最後に3.は「不動産の表示に関する公正競争規約」の施工規則第10条に該当します。
(29)前号の公共・公益施設以外の学校、病院、官公署、公園その他の公共・公益施設は、次に掲げるところにより表示すること。
ア 現に利用できるものを表示すること。
イ 物件までの道路距離を明示すること。
ウ その施設の名称を表示すること。ただし、公立学校及び官公署の場合は、パンフレットを除き、省略することができる。
物件情報については、業者が情報を隠したくても隠せないところが法律である程度決まっているので、買う側にとっては助かります。
宅建まであと約20日、受験する人は頑張りましょう。
スッキリわかる宅建士(2017年度版) (スッキリ宅建士シリーズ) [ 中村喜久夫 ]
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